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2008年11月 7日 (金)

新しいアメリカンヒーロー

しばらくブログから遠ざかっていました・・・Ca370432

気がつけば街はクリスマス仕様に変わり、「年内には会おうね」とか年末を意識した言葉を使うようになっています。

皆さん、いかがお過ごしでしょうか。

昨日はアメリカに黒人初の大統領が誕生しましたね!

仕事中にネットのニュースを何度も覗き、当確が出るまでソワソワしてました。

うちに帰ってシカゴでの勝利宣言をテレビで観て、思わず観衆の一員になったように興奮してしまいました。

新しいアメリカンヒーローの誕生です。

アメリカからこれほどの歓喜の声が聞こえてきたのは本当に久しぶりのような気がします。

今世紀に入って911、イラクでの戦争、今世紀最大の金融危機とアメリカを大きく揺るがす出来事が起き、嘆きや怒りの声ばかり聞こえてきてましたものね、

オバマさんの演説は声の質、話し方、話すスピード、簡潔で印象深い文章、耳に心地のよい押韻、巧みな引用がよく工夫されていて、聞く人をどんどん盛り上げて熱くさせるものがあります。

もちろんスピーチライターはいると思いますが、彼の力量がなければこれだけの感動を生まなかったでしょう。

オバマ次期大統領の公式ホームページで演説の映像を見ながら、演説の全文を読んでみましたが、キング牧師の有名な "I have a dream."に匹敵する、今後の歴史で繰り返し語られるであろう演説だったと思いました。

支持政党、貧富、年齢、人種、性、ゲイ/ストレート、障害のあるなしにかかわらず、全てのアメリカ人に向けて語り掛けられ、差別のない世の中を作り上げたいという意思をまず最初に明らかにしていました。

今回オバマさんに投票しなかった人たちにも、「今回あなたの支持は得られなかったかもしれないが。私はあなたたちの大統領になります。あなたたちの力が必要です。」と配慮を示していました。

演説の後半部分、106歳の黒人女性 Ann Nixon Cooper さんの目を通じてアメリカの100年を振り返り、観衆は演説会場の上空にスッと持ち上げられて歴史的パノラマを俯瞰させられます。(この女性はあっという間に世界の有名人になりました)

そして、「今こそ、子供たちの世代に平和で豊かな社会を引き継ぐために働くときです」と語りかけ、観衆の目を未来に誘って演説は締めくくられます。

非常にダイナミックでかつ、心に響く構成になっていました。

"CHANGE" は単なるお題目ではなく、本当にアメリカは変わるかもしれないと期待が膨らみます。

私がとても巧みだなと思ったのはキング牧師の演説にあったキーワードを用いていたことです。

公民権運動の闘士であったキング牧師の演説の中に以下の文章があります。

I have a dream that one day this nation will rise up and live out the true meaning of its creed. "We hold these truths to be self-evident: that all men are created equal.

(私には夢がある。いつの日かこの国の人々が立ち上がり、「我々はすべての人間が平等につくられていることを自明のものとする (アメリカ独立宣言の一節)」という信条を真に実現するという夢が。)

この creed (信条) という言葉がオバマさんの演説では2回使われています。

"(中略)the times we were told that we can’t, and the people who pressed on with that American creedYes we can.

(私たちにはできるわけないと言い含められた時代、アメリカの信条である "Yes we can" の実現を推し進める人々)

"(中略)where we are met with cynicism, and doubt, those who tell us that we can’t, we will respond with that timeless creed that sums up te spirit of a people: Yes we can.

(不信、疑い、私たちにはできるわけないと言う人々に出会ったとしても、人々の魂を集結させる永遠の信条、"Yes we can" と私たちは答えるだろう)

全ての人は平等につくられているというアメリカの独立宣言にある信条は、黒人大統領の誕生で実現に向けて大きく飛躍しました。

つい40年ほど前のアメリカ南部では、黒人の人は白人の人にバスの座席を譲らなければなりませんでした。

その時代には夢 "Dream" であり、勝ち取るべきもの "We shall overcome."であった信条が、Yes we can にバージョンアップされているのがオバマさんの大きなメッセージなんだと思います。

現在形で語りかけられる肯定的な言葉は自信を失っているアメリカの人たちを勇気づけています。

I でもなく you でもなく、WE。 

WE の中には演説の冒頭で語りかけられた全てのカテゴリの人が含まれますよね。

全ての人がこの国の未来に責任を持っていると強調しています。

今回の選挙では若年層が政治的無関心を克服して選挙に足を運んだ姿が印象的でした。

対日政策は未定のようですが、民主党はアジア政策の要を中国に置く伝統があるそうです。

また、「メインストリートが貧しさに苦しんでいるのにウォールストリートだけが富んでいいわけない」とオバマさんは演説でも述べています。

経済的格差の是正、雇用の確保や国内経済の回復を図っていく中で、"Buy American" と内向きになり、日本に対して保護貿易主義に傾くことも考えられますね。

100年の歴史を語る中で、"When the bombs fell on our harbor " とパールハーバーについて言及されているのもひっかかりを感じました。アメリカ国内の出来事でないからか原爆については触れられていません・・・

オバマさんが日本にとってよき隣人になるかどうかはわかりませんが、11月4日、アメリカに新しいヒーローが誕生したのは確かです。

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コメント

こんばんは。どうしてるかなと時々見に来てましたが、元気そうで何よりです。
今年のアメリカの大統領選は、他国民の自分でも開票速報は見てました。NBCを主に見てたのでブライアンにも感銘したけど、私は会見に現れたライス国務長官の言葉がアフリカ系アメリカ人の気持ちを代弁しているようで感慨無量でした。
こちらもクリスマスのライトアップが始まってます。○○地下街の「光の流れるイルミネーション」を撮ってFionaさんに送ろうかなと思いながら帰ってきたところだったので、ブログもアップされてて以心伝心?
互いに風邪に気をつけようね。

投稿: ein | 2008年11月 8日 (土) 21時03分

einちゃん、お久しぶり!コメントありがとう。昨年も秋は長い間ブログから離れていて、クリスマス頃に復活したんでした。イルミネーションを見ると書きたくなるのかも。
地下街のイルミも綺麗でしょうね~
ライスさんは頭の切れるスーパーレディだったから来年から姿を見れなくなるのは残念だね。
そちらも急に寒くなったようなのであったかくして過ごしてください!

投稿: Fiona | 2008年11月10日 (月) 14時15分

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