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2006年2月18日 (土)

蜜柑の花咲く丘-ネロリの香り

大脳辺縁系と香りの関係

小さい頃、ゴールデンウィークの青空の下、遊び疲れて一休みしているとどこからともなく、グレープのような苦くて爽やかな香りが漂ってきました。

Nerori_1そのとき吹いていた心地よい薫風、空から差し込む金色の光、その年初めて袖を通した半袖シャツの感触とともに、その香りは私の大脳辺縁系の奥深くに組み込まれていました。

大人になってから香水をつけることを覚え、さまざまな香りの雑踏に放り出されても、あの香りはどこかで記憶していました。

アロマテラピーを勉強したとき、あの香りが蜜柑(オレンジ)の花の香りだったと知りました。

オレンジの学名は Citrus aurantium。果皮、葉、花から精油が取れます。葉から取れたオイルはプチグレン、花から取れたオイルはネロリと呼ばれます。

ネロリは17世紀のイタリア、ネロラ公国公妃、アンナ・マリアが愛用したことで知られます。彼女は手袋にネロリの芳香をくゆらせました。舞踏会で殿方に手を差し伸べた瞬間、ネロリの香りが男性の鼻腔をくすぐったことでしょう。

ネロリには、鎮静、抗うつ、催淫(!)、子宮強壮、細胞再生、ホルモンバランス作用があります。女性の心と体、とお肌(小皺に悩む方に) にとってありがたい働きばかり。

鼻の嗅上皮の粘膜に溶けた匂いの物質は、嗅細胞を興奮させ、嗅神経を介して電気的インパルスとなり大脳に届きます。

そして、知的な解釈を行う大脳新皮質より先に旧脳と呼ばれる大脳辺縁系に達し、古い記憶や本能のエリアにリンクしてその匂いにまつわる感情を呼び起こします。

その後、大脳新皮質で「この香りは~という名前の香りだ」と解釈するとともに、視床下部で生理反応を起こします。

街角で好きだった人の香水を嗅いだとき、あなたの心と体に何が起こりますか?まず思い出がフラッシュバックしてきて、脈拍や涙腺に変化がありますよね?同時に、あぁ、あれはカルバンクラインの香水だったなぁとか思い出したり。

1ml 何千円という世界ですが、精油を1本だけあげると言われたら、私はまずネロリを選びます。

7才の少女の頃にポーンとタイムスリップできるから。

人生は輝きに満ちていると信じていたあの日に戻れるから。

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コメント

Fionaさん、とても難しい話かな?と思いましたが・・・
そうですね!香水は素敵な香りだけではなく、
香りとは大事な思い出にフラッシュバックしてくれるものですね~

投稿: jun | 2006年2月18日 (土) 22時23分

柑橘系の香りって本とに良いよね。
私も大好き。
そのうち時間ができたらもっとアロマテラピーを学びたいよぉ!

投稿: Yuki | 2006年2月18日 (土) 22時45分

junさん、香りが脳に伝わる話のところはかっこつけて専門用語使っちゃいました。難しくしてしまってごめんなさい。
>香りとは大事な思い出にフラッシュバックしてくれるものですね
そうなんです。これが一番言いたかったことです!
junさんの思い出の香りは何ですか?

Yukiちゃん、柑橘系の香りは気持ちを明るくさせてくれるよね。
柑橘系精油だと、珍しいところでは高知産のゆずの精油!ゆずが取れる一時期しか出回っていないの。これに、大分のヒノキの精油をブレンドして、エアーフレッシュナーを作っていました。
香りも身土不二*が一番なのかもしれない。
*人と土は一体。その土地で取れたものを食べるのが一番という考え。

投稿: Fiona | 2006年2月19日 (日) 07時09分

なんて素敵な少女時代の思い出。家族に守られ庇護されてた、甘やかでゆったりとした時を思い出す香りがあって素敵です!私はまだそういう香りに出会ってないなぁ。ぼーっとっしたコドモだったんだわ。(^^ゞ

投稿: ゆきぱく | 2006年2月20日 (月) 12時34分

食いしん坊だったので、子供の頃の一番の思い出の香りは、焼きたてのホットケーキかも?
ゆきぱくちゃんも、ネロリの香水が似合いそう!オレンジ、プチグレン、ネロリのオレンジ3点セットでブレンドしたら、朝露のように清浄な香りになるよ。

投稿: Fiona | 2006年2月21日 (火) 01時33分

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